ソラリウム(Solarium)は日光浴場という意味です。
太陽に恵まれた地中海周辺の国々では、紀元前の昔から健康回復に日光を利用し、ローマ時代には住宅や共同浴場などにサンテラスを作り、それをSolariaと名付けていました。
現在も、欧米の各国ではスパ(温泉を利用した健康総合施設)やスポーツジム、公園、医療施設などの公共施設には必ず日光浴場が設けられ、健康維持のために日光浴が生活の中に習慣化しています。またカフェやレストランでも、お客は屋外の席で日光を浴びながらお茶や食事を楽しんでいます。
ソラリウム(Solarium)は日光浴場という意味です。
太陽に恵まれた地中海周辺の国々では、紀元前の昔から健康回復に日光を利用し、ローマ時代には住宅や共同浴場などにサンテラスを作り、それをSolariaと名付けていました。
現在も、欧米の各国ではスパ(温泉を利用した健康総合施設)やスポーツジム、公園、医療施設などの公共施設には必ず日光浴場が設けられ、健康維持のために日光浴が生活の中に習慣化しています。またカフェやレストランでも、お客は屋外の席で日光を浴びながらお茶や食事を楽しんでいます。
紫外線のエネルギーは濃い色に反射・吸収される特性があります。
そこで皮膚は紫外線を浴びると、メラニン色素を生成して、皮膚の表面を色素で覆い、肌色を褐色に変えます。つまり、紫外線に対する防衛機能を作るわけです。メラニン色素は天然のサンスクリーンなのです。メラニン色素で吸収された紫外線のエネルギーは、熱として利用されます。
皮膚の角質は体の内部を守る役目をしています。そこには大切な免疫の仕組みがあります。その仕組みが正常に機能するには、ある程度の組織の厚さが必要です。UVB光線は角質層を肥厚させて皮膚の機能を強化する働きもします。角質の肥厚もまた、日光から皮膚を守る役目をします。
角質の肥厚は、皮膚により大きな安定性を与えます。肥厚した角質は、最初の日光浴の前と比較して、皮膚の防御能力を約2.5倍も増加させます。
サンタンと角質の強化で紫外線への防衛力は10倍に
メラニン色素の生成と角質の肥厚で、日光に対する皮膚の防衛能力は10倍以上も高くなります。
皮膚の「基底層」には、紫外線の入射で活性化する「メラノサイト」という細胞があります。紫外線のエネルギーを受けると、メラノサイトは貯蔵しているチロシンからメラニン色素(顆粒)を作り出します。作られたメラニン色素は、上図のように細胞の小さな腕を経由して、すぐ上にある胚細胞(ケラチノサイト)まで移動していきます。その後、そこにある細胞核のまわりに蓄えられます。 ○メラニン色素の色が薄い段階では、皮膚の保護作用は少ししかありません。
色素の生成に関与するのは、約300nm前後のUVBです。 色素を褐色化させるのはUVAの働きメラノサイトで作られた色素は、初めは薄いピンク色をしています。この色素はやがてUVAの働きによって酸化され、褐色に変わっていきます。色素の褐色化はUVAしかできません。(上図)
体にはボデイリズムがあります。そのリズムは自律神経システムに連動しています。自律神経(交感神経と副交感神経)は、体の器官や生命機能をコントロールしています。交感神経は体を活動させる役目を、副交感神経は体を休ませたり、睡眠に誘う役目をします。
太陽の日照リズムや、光の強さ、光のスペクトル組成が、体の日周リズムや生体リズムに深く関わっています。食物の摂取、水分の消費、体温、ホルモン分泌、排卵、その他の多くの基本機能が、太陽の影響下にあります。
光の刺激は目と皮膚の神経終末から取り込まれて脳に伝わり、生理学的、生化学的な反応を引き出します。 強い光が脳を刺激すると、神経伝達物質のセロトニンが分泌されて、自律神経が交感神経に切り替わり、意識と体が活動方向に導かれます。逆に、光が弱くなるとメラトニン(睡眠誘導物質)が分泌され、自律神経は副交感神経に切り替わって、意識と体は睡眠に導かれます。
・メラトニンの分泌量はセロトニンの分泌量に比例します。朝の目覚め時や日中に強い光を浴びると体の目覚めがよくなり、それに比例して、夜の睡眠も深くなります。
・朝と夕方の時間帯に、強い光線を毎日30分程度浴び続けるとウツ症状が改善していきます。
・時差ボケの調整にも強い光線の照射が効果的です。
タンニング光線には次のような生理作用があります。
日焼けには「サンタンニング」と「サンバーン」の2種類があります。日本ではサンタンニングもサンバーンも区別することなく、一緒に「日焼け」といっていますが、肌に与える影響はまったく違います。
サンタンニングは皮膚が「褐色に色づいた状態」の日焼けをいいます。褐色の肌はメラニン色素によってもたらされます。メラニン色素は、紫外線が皮膚の深部に浸透するのを防いで、紫外線のエネルギーから、皮膚の細胞とそのDNA(遺伝子)を保護する役目をします。
上手にサンタンニングするには、初めは日差し(紫外線)の弱い時間帯を利用し、日差しの強い時には一回の照射時間を短めにして、間隔をあけながら徐々に肌色を作っていきます。
サンバーンは皮膚が「ヤケド」した日焼けをいい、皮膚にマイナスな日焼けです。肌色が白く、角質の薄い人は、紫外線に対する皮膚の防衛能力が低いために、急に日焼けすると肌がヤケドして炎症を起こします。
ヤケドで死んだ表皮細胞は、やがて剥がれ落ちますが、サンバーンはシミの原因にもなります。また炎症を起こしたままで、強い日差しを繰り返して浴びると、皮膚ガンのリスクが生じる恐れがあります。
タンニング能力(色素生成能力)には、肌質による個人差があります。その個人差は4分類されます。
肌タイプ1 |
肌の色が非常に白く、敏感肌。 |
---|---|
肌タイプ2 |
肌の色が白く、少し敏感肌。 |
肌タイプ3 |
肌色がいくぶん茶系。 |
肌タイプ4 |
普段の肌色がこげ茶色。 |
*このほかに、紫外線アレルギーや日光過敏症で、紫外線を浴びると常に炎症を起こす体質の人がいます。こうした人には「日焼け」はおすすめできません。
白い肌は紫外線に対する防衛能力が低く、紫外線の強い季節にはダメージを強烈に受けるので注意が必要です。
ビタミンは生命活動に不可欠な物質です。その中のビタミンDの最も大切な源はUVBです。UVBは皮膚に蓄えられたプロビタミン(前駆ビタミン)を、活性ビタミンのD3に変化させる働きをします。このビタミンD3は体内で最終的な作用形態に生成されます。
日光の紫外線量の少ない冬の間は、体内のビタミンDは不足します。また、雲、衣類、建物などで紫外線がさえぎられると、さらにビタミンDは作れなくなります。ビタミンDは魚の肝油から摂取する以外は、食物からは直接摂取することはできません。
ビタミンD3は食物から摂取したカルシウムの吸収を促進させる働きをします。
カルシウムは伝達物質として細胞の生命活動をコントロールします。
また神経の伝達、細胞分裂、筋肉の収縮、グリコーゲン代謝などの生理活動に関わっています。
体内のカルシウムイオンが不足すると、生命活動に必要なカルシウム量を維持するため、骨に蓄えられたカルシウムを溶かして補充されます。その結果、骨のカルシウムが減り、骨はもろく、あるいは柔らかくなります。(骨粗しょう症・骨軟化症など)
体の免疫力は免疫細胞の活性度に左右されます。UVBには免疫細胞を活性化させて、免疫力を強化する作用があります。
ヨーロッパで行なわれた実験で、3500人の子供にUVBを秋と冬に12回照射したところ、インフルエンザが流行していたにもかかわらず、前年に比べて風邪を66%減少させることができました。また、UVBの照射によって、体内の免疫細胞と白血球が約50%増加していることが分かりました。
UVBが皮膚に浸透すると、細胞の代謝作用が促進され、皮膚が持っている免疫機能が高められます。その結果、免疫不全によるアレルギーなどの皮膚疾患が改善されます。
UVBは筋力を高める働きもします。それはビタミンD3の生成でカルシウムの吸収が促進され、体内のカルシウム含有量が高まったことによります。体内にカルシウムイオンが十分にあると、神経伝達系(シナプス)の形成が高まり、神経の伝達能力、また筋肉の収縮力、グリコーゲンの代謝促進が高くなります。
UVBはヘモグロビンや赤血球の生成を活性化させ、血液の酸素運搬能力を高めます。このことがまた、体の運動能力を高めることになります。フランクフルト大学の研究では、UVBの照射で酸素摂取量が増加することが確認されています。
UVBは、光化学作用によって血液中の有害物物質を解毒します。また、アルコールの分解も助けます。
太陽光線は図のように幾つかの光線が連続して構成されています。一般的に目に見える光線は可視光線といい、プリズムを通すと赤から紫まで七色に分光して見えます。可視光線の一方の端にある赤色光の外側には赤外線(IR)が、もう一方の紫色光の外側には紫外線(UV)が続いています。
光は小さなエネルギーのかたまり(フォトン=光量子)からできていて、宇宙空間をおよそ〈300,000km/秒〉の速さで進みます。太陽光線の進行は一直線ではなく、小さな波状に振幅しながら進んでいきます。この光線の振幅(スペクトルの幅)を波長と呼びます。また、それぞれの光線は異なる波長(エネルギー)の性質をもっています。光の波長の幅が短くなるほど、エネルギーは大きくなります。赤色光の領域は長い振幅をもつので長波長光といい、弱いエネルギーです。紫色光の領域は短い波長なので短波長光といい、エネルギーは強くなります。光線の波長はnm(ナノメーター:十億分の一)の単位で計測されます