上記の悩みを一気に解決してしまうかもしれない最新のタンニングマシーンがノルウェーに上陸した。このマシーンがヒットするかもしれない背景に、日本とは少し異なるノルウェーの健康・美意識をまず初めに紹介したい。
スポーツ大国ノルウェー。夕方4時頃には仕事から帰宅できるノルウェー人にとって、アフタータイムをジムや外でのジョギングに活用するのは日常的な光景だ。日本女性は英会話教室に通ったり、資格取得のために時間とお金を費やすが、ノルウェーでは美しいボディラインと健康的な生活を求めて人々は常に「これからトレーニング!」と口ずさむ。また、日本では「今、ダイエット中なの」という言葉は女性同士の会話ではよく聞かれるが、ノルウェーでは医師から指示されるほど太っていない限り、「ダイエット」という言葉を口にすると、「なぜ痩せたいの!?」と変な目で見られやすい傾向がある。周囲から止めるように促されることが多いので、極端に太っていない人は密かにダイエットをしなければいけない。
そんな運動好きで、もしくは堂々と「ダイエット中!」と周囲に言いにくいノルウェー人のために、軽いエクササイズとダイエットをしながら、欧米では人気の日焼け肌を同時にゲットできるというタンニングマシーンがオランダからノルウェーにやってきた。
これまでの横たわるマシーンとは違い、新しいマシーンでは中で立ったまま振動で体を震わせる。連続する振動で筋肉を刺激することから小さいジムのような役割を果たすのだ。この小さいバイブレーション・ジムは40年前にロシアの宇宙飛行士が使い始めたことがきっかけで、その後スポーツの世界でも取り入れられるようになった。このようなトレーニング方法は、正しく行うことでセルライト防止と体重減量の効果を伴うことも可能といわれている。日本のトレーニングジムでもこのタイプの振動マシーンが使われている。「ぶるぶるフィットネス」、「振動マシーン」などと言われおり、使ったことがある人は多いのではないだろうか。
このぶるぶるマシーンとタンニングマシーンがとうとう合体したのである。ヘルシー、ダイエット、エクササイズの3つの異なるメニューから、顧客は好きなものを選ぶことができる。従来のただ横たわるタンニングマシーンでは、活動的なノルウェー人にとって時に刺激が足りず、また背中にも良くないという声が聞かれた。そのような顧客のニーズに応えるためにも、立ったままタンニングマシーンの中に入るという新しい選択方法は、提供する側にとっても面白い挑戦かもしれない。
ヨーロッパでは小麦肌であることがステータス。冬が長く、太陽に当たれる時間が少ないノルウェーでは、人々は小麦肌を手に入れることに執着心がある。小麦肌をゲットしつつ、ダイエットとエクササイズ、これらをすべて短時間で同時に実現できるかもしれないこのマシーンは画期的な発明といえるかもしれない。このぶるぶるタンニングマシーンは昨年8月にノルウェーでもリリースされたばかりで、提供するサロン側も、この新しい取り組みに顧客がどのように反応するかどうか様子をみているところだ。日焼け、ダイエット、エクササイズをすべて可能にしたぶるぶるタンニングマシーン、ノルウェーだけでなく、他国でも話題を呼びそうだ。 ※写真HAPRO社Luxura V7
【ライター/鐙 麻樹】